迷子の衝動

好きな映画や音楽のお話を。Netflixの掘り出し物コンテンツも紹介します。

FUJI ROCK FESTIVAL '14 Fiesta!Fiastaは!!?日曜日編

もう3週間経っちまった!3週間前の今頃は、、うう、、1ヶ月前の今頃は、、うう、、なんて言いながら1年経っちゃいそうですね。

前回の土曜日編で「Arcade Fireさいこー!!」てな感じで終わっちゃって、その後にもうひとつバンド見たの忘れてました。その感想からいきます。

2014年7月26日(土) Arcade Fire の後...

Arcade Fireが終わって「いやー、良かったねー、最高だったねー」なんて言いながら、渡なべの油そばでお腹も満たされ、幸せな気分で宿に戻ろうとしたその時、苗場食堂から思わず体が動いてしまう音楽が聴こえてきて...

Narasirato

苗場食堂に行ってみるとナラシラトがライヴ中でした!観たいと思ってたやつだったんですが、時間が合わず、半ば諦めていた所だったのでこれは観ねばと飛び込みました。これがすっごく楽しかった!ソロモン諸島の「アレアレ族」という民族で構成されたバンド。竹製の楽器でとにかく踊るっきゃない音楽を奏でてくれます。世界各国でライヴしているため、国を超えた盛り上げ方を熟知しているように見えました。日本語の歌まで作っちゃて、なんというサービス精神なんでしょう。

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NARASIRATO ナラシラト/MOUNT FUJI マウント・フジ - YouTube

※苗場から富士山は見えません。

 

2014年7月27日(日)

いよいよ最終日。朝から「もう最終日。。もう最終日なのか。。」と既に若干ナーバスになりながらのスタート。「今年、全然奥地に行っていない!」ということで、朝から一番奥のステージまで行くことに。ゲートから一番奥まで歩くと軽く30分以上かかってしまう、ひろーいフジロック

Ozomatli

奥地へ行く前にグリーンでOzomatliを観ます。こういう多国籍感漂うバンドはフジロックに合いますね。朝から踊りまくった!豪雨にも関わらず!ここでもグリーンのモニター前でサークルが出来たりして、超盛り上がってました。こういうバンド観るためにフジロック来てるんだ!(これ他のバンドでも言った気が。。)
しかしOzomatli、ただ盛り上がるだけで終わるバンドではないのです。なんと楽器を持ったままモッシュピットの中へ!客に囲まれながら、楽器を弾くという異常自体。さらに客の中にいるまま、ライヴ終了!ステージ上では片付けが始まっているのに関わらず、演奏を辞めないOzomatli。しかも楽器を持って移動を開始!マーチングバンドのように歩きながら演奏し、それに客がついていくというカオス!ずーっと歩いていって、挙げ句の果てに物販エリアへ突入!グッズに並ぶお客さんの中へ突入して演奏してました。自由!「音楽とは自由である」ということに気付かされました。あっぱれ!

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Ozomatli - Paleta (Live on KEXP) - YouTube

 

Barbarella's Bang Bang

フジロック会場の一番奥にあるステージ「カフェ・ド・パリ」へ。ここで観たかったのはジプシー・パンクバンド、Barbarella's Bang Bang。読みづらいので「なんちゃらバンバン」なんて呼んだりしてました、さーせん。カフェ・ド・パリのステージにぴったりな無国籍感、まさにジプシー。ボーカルのバーバラちゃんがとにかく可愛くてセクシー!彼女の踊りに踊りに終始釘付け。他のバンドメンバーもコミカルな動きを挟んできて観客を全く飽きさせません。こういう、まさに世界をまたにかけるバンドを見ることが出来るのもフジの醍醐味。3日連続あちこちでライブやってるのに、バンドが本当に楽しそうなんですよ。これ大事!音を楽しむのが音楽だ!

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BARBARELLA'S BANG BANG - Here and Now ...

 

The Pains Of Being Pure At Heart

最奥地の次は一番手前のレッドマーキー!途中ヘヴンでピザ食ったりしてたら、若干間に合いませんでした。ショック!このバンド、1stアルバム出した時から大好きなんです。 The Pains Of Being Pure At Heart、長くてややこしいバンド名ですが、抜群のメロディセンスできゅんきゅんくる音を奏でやがる素晴らしいバンドなんで覚えて下さい!「ざ、ぺいんず、おぶ、びーんぐ、ぴゅあ、あっと、はーと」です!
ライヴを見るのはこの日が初めて。ここ数年はメンバーの入れ替わりが激しくて、解散してしまわないか心配でしたが、ライヴを見て一安心しました。すごい良かった!きゅんきゅんメロディに轟音ノイズ!青い!青春の音!
前いたキーボードのペギーちゃんが脱退してしまったのは残念ですが、なんか代わりに金髪巨乳女子が入っててびっくりしました。あれ正式メンバーなのかな。とにかくおっぱいが大きかったです。


The Pains Of Being Pure At Heart - "Simple and ...

 

Ásgeir

今、洋楽好きの間で最も注目されている、と言っても過言ではないアイスランドの新生Ásgeir。彼のライヴを見るのは2回目。björkにせよ、sigur rósにせよ、こんなにも美しいアーティストが出てくるアイスランドっていう国はどんな国なんだろうか。去年のフジロックで「ビョーク好きすぎてアイスランド行ったらすげえいい国だった!」なんて言ってた兄ちゃんと出会いましたが、そんなこと聞くとますます行ってみたくなる。
MCなしで淡々と曲をこなし、盛り上がりはないけど、この時のホワイトステージは空気が全然違いました。3日間で一番天気が悪かった日曜日でしたが、このときはなぜか晴天。天気までも味方につけてました。22歳とは思えない落ち着きっぷりにびっくりです。


【日本語字幕付】Ásgeir(アウスゲイル) / King And Cross(キング・アンド・クロス ...

 

The Flaming Lips

個人的にこの日のメイン、The Flaming Lips!大好きなサイケデリック・ロックバンドです。いつか野外で、このフジロックで観たいと思っていて、念願叶いました。彼らのライヴを初めて見たのは5年前のサマソニ。1曲目から幸せすぎて泣きながら飛び跳ねるという異常事態。その瞬間から彼らの虜でした。どんなライヴか簡単に説明するならば、「幸福」に取り憑かれたマッドサイエンティストが「幸福爆弾」を盛大に爆発させるテロのようです。したがって彼らは「幸せテロリスト」です。とは言え、最近のライヴはちょっとダークな感じになって、昔よりも落ち着いてるとのこと。フジロックのライヴはどうなるのか...
初のフジロックということで、ファンも大はりきり。「FLAMING LIPS」の文字をかたどった風船を持参して盛り上げます。なんでもイギリスから追っかけが来ていたそうです。すげえな。そんなファンにリップスも負けじと答えます。

必殺「初っ端から紙吹雪」

どーん!これぞ彼らの真骨頂!昨日のArcade Fireから紙吹雪解禁となった「世界一クリーンなロックフェス」フジロックですが、まさか1曲目から紙吹雪が舞うとは。さすがです。最初から全開です。初めて見た人は5年前の僕が体験したような幸福感に包まれたことでしょう。しかし、ライヴはまだ始まったばかり。次から次と変なぬいぐるみキャラが登場し、会場を沸かします。前からずっと聴きたかったThe Chemical Brothersとの合作「The Golden Path」も聴けて大満足。毎日フジロックのために働いている僕たちを体現するかのような曲なんです。ふふふ。ライヴが後半に差し掛かると

必殺「人間大玉転がし」

が繰り出します。人の入る風船にボーカルのウェイン・コインが入って客に向かってごろんごろん。さすがに野外だからか、あまり転がしませんでしたが、それでもこんなことやるのはリップスだけです。ちなみに5年前は、登場から必殺「人間大玉転がし」を繰り出して、からの必殺「初っ端から紙吹雪」でした。
とにかくこの日も幸福でした。正直、演奏は今まで見た彼らのライヴの中で一番へなちょこだったような気がしますがw でも「Do You Realize??」の歌詞にあるように「幸せだと泣けてくる」ことを、この日も僕らに教えてくれました。

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The Flaming Lips Do You Realize Live @ Summer ...

ライブ終了後、なんとウェインからのプレゼントでセットの風船をファンに配るというイベントが発生。配ると言っても、結局は争奪戦であります。外国人の大男達が「It's mine!! It's mine!!」て言いながら取り合いしてておもしろかったです。ま、僕はしれーっと取りましたけどね。へへ。

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Outkast

洋楽を聴き始めた中学時代、ロックに元気がなくヒップホップ全盛で、僕もヒップホップから聴き始めました。このとき人気絶頂だったのがOutkast。毎日のようにMTVでHey Ya!が流れていました。彼らの音楽はとにかくぶっ飛んでいて、ロック好きからも評価が高いです。そんな彼らを、まさか生で拝める日が来るとは!登場した瞬間から夢のようでした。1曲目から代表曲B.O.B.でぶっ飛ばします。Gasoline Dreams、Ms. Jacksonなど、序盤から名曲ばかり。Big Boi、Andre 3000、各々のソロパフォーマンスも披露。Hey Ya!では客をステージに上げて大盛り上がり。The Poguesが見たかったため、ここで退散しましたが、短い間で名曲ばかり聴けて大満足でしたー。


OutKast - B.O.B. (Clean) - YouTube

 

The Pogues

クロージングアクトのThe Pogues。解散が決まっているため、日本でのライヴはこれが最後になるでしょう。このバンドのボーカル、シェイン・マガウアンはアル中廃人で有名。その姿を見るのも非常に楽しみでした。しかし、いざ登場してみると、全く呂律まわってないし、よたよた歩きだし、とても50代だとは思えない老けっぷりに「おいおい出して大丈夫なのか...」と、ある意味衝撃でした。バックの演奏もへろへろ。でも、踊らにゃ損です。曲が素晴らしいので体が勝手に動いちゃいます。
そしてライヴは終盤。みんなある曲を待ちわびていました。そう、Fiestaを。The Poguesといえばこの曲。フジロックのラストにふさわしすぎる曲。その曲を、皆が待ちわびていました。ところが、バンドははけてしまします。あれあれあれ?アンコールでやるのかな?あれあれあれ?スマイリー原島が出てきたぞ?「イェーイ!」じゃねえよ、「写真撮るぞー!」じゃねえよ、ポーグス出せよ。客からはブーイングの嵐。困るスマイリー。ケイオス!いや、だってみんなFiestaで締めるつもりでいるのに、やらないなんて、そんなこと...結局、フジロックの長、日高さんが登場し「ごめんねー」どんな事情があったのかわかりませんが、とにかくがっかり。まさかの不完全燃焼なラストでした。日高さんの「ごめんねー」が聞けたのは、ある意味レアだし、いい思い出かもしれません。


The Pogues - Fiesta - YouTube

聴きたかったなー。。

 

 

はい、フジロック2014、これにて終了!
最後は不完全燃焼でしたが、なんだかんだ今までで一番楽しかったです。
来年は行けるかなー。行きたいなー。

FUJI ROCK FESTIVAL '14 人生最高のライヴを観てしまった土曜日編

感想に行く前に、こんな動画を見つけてしまいました。


雨あがりの夜空に - フジロッカーズ バージョン - YouTube

泣くわ!ああ戻りたい。苗場に戻りたい。フジの病が進行してしまいます。

 

2014年7月26日(土)

土曜日も晴れ!今年一番の目玉、例のあのバンドが登場するとあって、もうずっとドキドキワクワクしてました。ふふふ。

The Inspector Cluzo

あさ10時20分という早い時間帯からこのバンドがかましてくれました。あまりに評判がいいので、ぜひ観たい!ということで早起き。フランスの2ピースロックバンドです。2ピースとは思えない音圧!ハードでファンキーでソウルフルで最高!ライヴから人柄の良さとロック魂が伝わってきました。いきなりドラムがセクシーに踊り出したり、観客をステージにあげたり、ただでさえ暑いレッドマーキーはさらに気温上昇!こういうバンドに出会いたくてフジロックに行ってると言っても過言ではありません。彼らこそがロックです!

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The Inspector Cluzo "Two Days" - YouTube

今回来日した時の道中で撮った動画を、早くも公式がアップしてました。苗場食堂でのライヴでは、なんと酒を振る舞ったそうで。ほんと恐るべきサービス精神ですね。


The Inspector Cluzo - Asian Tour Part 1/3 - Fuji ...

 

The Heavy

途中から観ました。最近CMでもよく流れてますね。ライヴもかっこ良かった!だけど、この辺りからもう暑くて暑くて。。日差しが痛い!座って観てたんですが、動いてる方が気がまぎれて良かったです。観客も心なしか暑さにやられてぐったりしてたかも。


The Heavy - How You Like Me Now? (Official Video ...

 

ウルフルズ

インドカレーを食べながら観ました。このフジロックで活動再開のスタートを切るとあって、めちゃくちゃ気合い入ってましたね。ヒット曲のオンパレード。これだけ聴いたことある曲が並ぶと、やはり偉大なバンドなのだと改めて思いました。お客さんも多く、バンザイは大合唱。素晴らしい雰囲気で、思わず涙が。ええ、最近よく泣きます。


ウルフルズ『ヒーロー』 - YouTube

 

The Waterboys

結成31年目にして初来日!当然、日本での知名度はあまりないですが、今回予習で聴いてみて、あまりに素晴らしいので観てみました。やはり、お客さんはあまりおらず、すいすいとモッシュピットの方へ。ライヴはというと、期待を大きく上回るかっこ良さ!ボーカルのマイク・スコットとヴァイオリンのスティーヴ・ウィッカムの掛け合いがもうはんぱじゃなくかっこ良かった!また来日してほしいですね。

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Waterboys • The Whole of the Moon • 1985 Concert ...

 

Travis

日本でも人気なTravisさん。意外にも初めてライヴ見ました。メンバー登場して周りがざわざわ。「髭!髭!フランに髭が!」髪も薄くつるっとしたキューピーちゃんのようなイメージだったボーカルのフランに、なんとモジャモジャの髭が。ファンもびっくりです。
ライヴがこれまた最高!Travisと言えば雨のイメージがありますが、この日は快晴を味方につけ終始和やかな雰囲気。ベストヒット的な選曲で、最近のアルバムを聴いていなかった私でも全然大丈夫でした。ライヴから人柄の良さとメンバー同士の仲の良さが伝わってきて、これはファンも多いはずだと納得。代表曲、Turnで大合唱した後、メンバー4人並んでFlower In The Window。ファンの方々がこの曲に合わせて準備していた紙で作った花を振って、めちゃくちゃいい雰囲気。ラストは雨唄「Why Does It Always Rain on Me?」で締めくくりました。本当良いバンドだ。ファンになりましたです。

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Travis - 'Flower In The Window' @ Fuji Rock ...

 

St. Vincent

個人的に今一番かっこいい女性アーティストがSt. Vincentであります。2012年のサマソニで初めてライヴを目撃した時から彼女の虜。一心不乱にギターを弾き、モッシュピットにダイヴする姿が最高でした。
今回のライヴでは、表現者として、エンターテイナーとしてレベルアップした彼女が見れました。最初の曲からいきなりダンスを踊ります。前回見た時はダンスなんてなかったのに。ギターも相変わらず上手い。彼女のアルバムの中で一番アップテンポな新作からの曲が多く、みんなノリノリでした。楽しかった。次来る時はもっと大きなステージで見たい!


St. Vincent - Digital Witness - YouTube

 

Damon Albarn

途中から見ました。Blurのデーモンがソロで登場。評判の良いソロアルバムからはもちろん、BlurGorillazの曲までやってくれました。GorillazのClint Eastwoodでは日本のラッパーが登場して日本語ラップを披露。意外な展開で面白かったです。ソロアルバムの曲も素晴らしかった。バックバンドの様々な楽器やゴスペルのコーラスなど、多彩な音色を聴かせてくれました。今年始めにBlurのライヴは見たので、今度はぜひGorillazで来日して欲しいですね。


Damon Albarn - Mr Tembo (Official Video) - YouTube

 

Arcade Fire

はい、この日のメインイベント。というより、今年のフジロックのメインと言って良いでしょう。待ちに待ったArcade Fire!毎年一緒にフジロックへ行ってくれている彼女から、「来年はもう行かないかな」なんて言われていたのですが、「分かった。でも、もしArcade Fireが来たら絶対行くからな!」なんてやりとりをしていて、Arcade Fireの出演が決まった時はそれだけで泣く程嬉しかったw 今一番見たいバンドがこのArcade Fireだったわけです。日本での知名度はあまりないですが、世界的にはあらゆるフェスでヘッドライナーを飾る、超ビッグバンドです。そんな彼らが6年ぶりの来日。期待値あがりまくりでこの日を迎えました。
最初、全身ギラギラのミラーマンが登場し、片言の日本語で「みなさなん、こんばんは。私はミラーマンです!今日は初めてのフジロック!多いに楽しんでください!アーケイド・ファイア!」と叫ぶと、一曲目Reflektorが鳴り始めました。彼らのアルバムの中で一番ダンスミュージック色の強い新譜Reflektorの曲達は、どれも最高にライヴ映えする曲ばかり。幸せの絶頂でした。モッシュピットにいたからか、皆どの曲も大合唱。それだけ待ち望んだ来日だったわけです。過去のアルバムからの名曲達も序盤からガンガンやってくれて最初からクライマックス。メンバー達は次々と様々な楽器を持ち替え演奏していきます。いろんな音が鳴って超楽しい!楽しい時間は残念ながらあっという間にすぎていきます。
最近のライヴでは終盤にライヴを行う場所にちなんだご当地ソングをカバーしていますが、ここ日本ではなんとYMOライディーンをカバー。そこから最後の3曲は本当に神がかっていました。Normal Personで踊りまくり、Here Comes the Night Timeでは曲の盛り上がりが頂点に達した瞬間、ステージが見えなくなる程の大量の紙吹雪がドーン!ぎゃー!幸せだ!幸せすぎる!何だこれは!からの、最後はお待ちかねのWake Upで大合唱!泣きながらオーオー歌ってました。
てな感じで、今までいろんなライヴを見てきましたが、このArcade Fireのライヴが人生最高のライヴでしたよ。本当に見れて良かった。。

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Arcade Fire - Here Comes the Night Time/Wake Up ...

 

FUJI ROCK FESTIVAL '14 踊り疲れた金曜日編

いつもは映画の感想を書いている本ブログですが、今日は今年のフジロックの感想を書きたいと思います。というのも、ただいま絶賛フジロック後遺症(「フジの病」とも言う)を煩っておりまして、その気持ちを鎮めるためにも、ここはひとつ文字に起こしてみようと思いまして。フジロックを体験した人、あるいは他の楽しいフェスを体験した人なら分かると思うけど、何日も浮世離れした空間にいると日常に戻った時の喪失感がはんぱじゃないことになるのです。抜け殻ですね。

金曜日編と書きましたが、実は木曜日の前夜祭から参加しているので、その感想も書きます。

2014年7月24日(木)

前夜祭は盆踊りで苗場音頭を踊り、抽選大会があり、大食い大会があり、花火があがる無料のイベントです。ライヴもあります。今年は2つのアクトを観ましたよ。

 

Black Kat Boppers

全然知らないバンドだったけど、めちゃくちゃかっこよかった!こういうオーセンティックなロックを鳴らすバンドって初めて観たかもしれない。古いけど全然古くさくない。会場も大盛り上がりでした。


Black Kat Boppers - Oh Baby!!!! - Bestival 2012 - OFF ...

 

キノコホテル

今年の前夜祭、スペシャルゲスト枠ですね。もちろん前から知っていたけど、ライヴは初めて。マリアンヌ東雲様にようやくお目にかかれるとあって興奮気味で観ました。意外と爆音。ノイジーで何言ってるかよく分からなかったけど、マリアンヌ様セクシーすぎ!良いもん観れました。


キノコホテル / ばら・ばら (実演会映像) - YouTube

 

2014年7月25日(金)

初日の金曜日は快晴!とにかく晴れてて日差しがつらかった。初日から日焼けで真っ赤になりました。

 

ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRA(feat. 仲井戸”CHABO”麗市,甲本ヒロト,トータス松本,TOSHI-LOW

去年から出てるフジロック限定のオールスターバンド。物販でTシャツ買ったり(今年はFoster The PeopleとArcade FireとThe Framing LipsのTシャツを買いました)、象印のブースでお茶汲んだりしてたので、ちょっとしか観れませんでしたが、楽しかったです。やっぱり一番かっこ良かったのは甲本ヒロトSex PistolsのAnarchy in the U.K.を日本語歌詞バージョンで歌ってました。あと、最終日の最後に出演するThe PoguesのFiestaのカバーでちょっとしたサークルができてて参加しちゃいました。楽しかったなー。この時は最終日の最後もFiestaで締めくくるもんだと思っていたよ。。最後どうなったかは日曜日のレポで。。

 

The Lumineers

正直あまり期待していなかったんです。なんか最近こういうバンド多いじゃないですか。アコースティックでフォークなロックバンドみたいなの。去年の出演者で言うところのMumford & Sonsみたいなの。Arcade Fire以降こういうバンドが増えてる気がしてて、良いとは思うけど、いっぱいいると食傷気味になっちゃう。
ところがどっこい、凄く良かったですw 去年のMumford & Sonsより好きでした。盛り上げ方が上手くて、観客の中で演奏したり、アコーディオンの人がPAの上に立って演奏したり、楽しかった。ファンになりましたです。 

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The Lumineers - Ho Hey (Official Video) - YouTube

 

Slowdive

「なんだって!Slowdiveが再結成!?しかもフジロック!?」
シューゲイザー好きは皆歓喜!と同時に、ライヴはどうなの?と少し不安に思ったことでしょう。全国のシューゲイザー好きの皆様!Slowdive最高でしたよ!!美しいノイズの嵐に涙しました。幸せだった。心残りなのは昼間のレッドマーキーだったこと。夕方から夜にかけてホワイトあたりで、しかも爆音でやってほしかった。。

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Slowdive - Alison - YouTube

 

Foster The Peopele

前から良い評判は聞いていましたが、今回のフジロック出演が決まってから聴き始めました。そしたら、まあはまりましたよね。2010年代を代表する若手バンドなのは間違いないです。歌詞も素晴らしいし、今の時代感を体現しているようなバンドだと思います。物販でもTシャツ買っちゃって、すっかりファンですね。ライヴはというと、これまた素晴らしい!何年かしたらトリで出てもらいたいな。Vampire WeekendやFoster The Peopleがトリを務められれば日本の洋楽フェスも安泰かと(何を根拠に)。ポップで誰でも楽しめるし、演奏も上手いし、とにかく最高でした!

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Foster The People - Best Friend - YouTube

 

Disclosure

ホワイトステージに場所を移し、ダンスアクト2連チャンで踊り狂うことに。Disclosureも予習して気に入りました。最近流行のEDM系には乗り切れないとこがあったんですが、Disclosureはどこか懐かしい90年代の空気感を感じて好きなんですよね。ライヴも素晴らしかった。ベースとか生演奏だったんですね。知らなんだ。セットも豪華でこれぞフェスな素晴らしいライヴでした。踊り狂って次のベスジャまでもつのかと不安になる程でしたよ。

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Disclosure - Latch feat. Sam Smith (Official Video ...

 

Basement Jaxx

個人的にこの日のメインイベント!Disclosureで踊りまくって体力的に不安でしたが、心配ご無用。体が勝手に動いちゃう!次々にボーカルが入れ替わる圧巻のステージでした。まるでサーカス団のよう。ベストヒット的な選曲で全部知ってる曲。格の違いを見せつけられました。もちろんこの日のベストアクト!もう踊りすぎて終わる頃には足パンパンでした。日中が灼熱の暑さだったのもあって、この日はこれで燃え尽きました。本当楽しかった。一応写真も撮ったんですが、どれもブレブレw 踊りまくってたからしょうがないよね!


Basement Jaxx - Red Alert ( Official Video ) Remedy ...

2014上半期新作映画ベスト!(男の映画編!)

なんで「男の映画編!」なんてタイトルをつけたのかと言うと、単純にポスターが男(しかもちょっとむさ苦しい)ばかりだったからですね。ほら、ディカプリオもウルフ・オブ・ウォールストリートに関しては、ちょっと脂っこいむさい感じするじゃないですか。はい。てことで後編です。 

 

ウルフ・オブ・ウォールストリート

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『ウルフ・オブ・ウォールストリート』 予告編 - YouTube

ふぉおおおお!!!と終始叫びたくなるような映画でした。御年70歳のおじいちゃんが作ったとは思えない作品。マーティン・スコセッシ監督、あなた若返ってますよ!『グッド・フェローズ』に並ぶくらいの大傑作。いや、それを超える大傑作だと思います。3時間ずっとハイテンションなドラッグムービー。金、女、ドラッグ、金、金、金!てな感じで、ディカプリオ演じるジョーダン・ベルフォートは金儲けに邁進します。この人にとっちゃ「金儲け=生」なんですね。ドラッグで意識朦朧としながら車を運転するシーンから、ジョナ・ヒルとヘナヘナな状態で喧嘩するまで、椅子から転がり落ちるんじゃないかと思うくらい爆笑しました。なんと実話。原作はもっとひどい(ほんとかなあw)と噂なので、こちらも読んでみたいと思っております。

ウルフ・オブ・ウォールストリート 上 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ウルフ・オブ・ウォールストリート 上 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

 

ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金

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ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金 - YouTube

日本未公開、DVDスルーとなってしまった作品。こういう映画はどうやったら映画館で上映してくれるんでしょうか。需要あると思うんだけどな。。これとは別に『ディス・イズ・ジ・エンド 俺たちハリウッドスターの最凶最期の日』と『俺たちニュースキャスター 史上最低!?の視聴率バトルinニューヨーク』は最高に面白かったんですけどね。なぜこんなにもコメディ映画を冷遇するのか。。てか、なんだよこの邦題。「俺たち〜」とか「史上最低の〜」とか「最凶〜」とか、いい加減寒いから!ったく。
ちょいと口が悪くなってしまいました、さーせん。まあとにかく、マイケル・ベイ監督というビッグネームでも公開されないなんて悲しすぎます!とは言え、確かに本作はド派手なアクション、爆発いっぱいの大作ばかりを撮っている監督のイメージからすると、珍しく小規模。マイアミを舞台に、実話をもとにした犯罪を描いています。筋トレしか脳のない筋肉バカが自己啓発セミナーで「俺はやらない男(Don'ter)ではなく、やる男(Doer)になる!」と一念発起。そして何をDoするかと言うと、ムカつく金持ちを誘拐して身代金をふんだくる、というバカっぷり。いや、バカですけど、これ実話って怖いよアメリカGTA(ちょっぴりヴァイオレンスな箱庭型ゲーム)が好きな人は、絶対好きだと思います。ドウェイン・ジョンソンが警察に追われて海に飛び込んで逃げるシーンがありますが、実は僕経験あるんですよ(ゲームで)。

 

新しき世界

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『新しき世界』予告編 - YouTube

筋肉バカトリオの次は、韓国の極悪トップ3。いや、見てよこの顔。わっるううう!予告にもありますが『インファナル・アフェア』+『ゴッドファーザー』みたいな話です。ほんとにクライマックスは初めてゴッドファーザーを見たとき同様、鳥肌立ちました。どこから褒めれば良いのか、、重厚なストーリー、アクション、本当にこういう人がいるとしか思えないキャラクターの説得力、どれも一級品ですよ。上映中、わりと序盤の方から尿意に襲われまして、ひたすら尿意と戦っていたんですが、だんだん尿意が引っ込んでいったんです。それだけ面白くて。尿意が引くってよっぼどだと思うんですよ。警察とヤクザの間で板挟みの男、義兄弟とのブロマンス、残酷描写の数々。思い返してみても最高です。
こういうヤクザ映画が今日本にないなーと。北野武だけじゃなくて、三池崇とか園子温とかにこっち方面の映画をガンガン作って欲しいですね。そもそもこういう顔面力のある役者が少ないような気がしますが。。

 

プリズナーズ

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映画『プリズナーズ』予告編 - YouTube

娘をさらわれてしまった父親(ヒュー・ジャックマン)が、一番怪しい容疑者をとっつかまえて監禁。拷問してなんとか手がかりを探ろうとしますが、容疑者は知的障害があり、なかなか喋ってくれません。拷問は更にエスカレート。観客は善悪の境界を揺さぶられっぱなし。拷問される容疑者役を、殴られ役なら右に出る者はいないと有名なポール・ダノが演じています。今回も最高の殴られっぷりでした。事件を追う警官役のジェイク・ギレンホールもかっこよかったなー。
脚本が本当によく練られていて、伏線を丁寧に回収しつつ、意味深な物や言葉が散りばめられていて、見応えたっぷりの上質なサスペンスでした。衝撃のクライマックスの向こう側に、タイトルプリズナーズ(囚われた者達)」の本当の意味が分かります。宗教的な要素が多分に含まれているため、見終わった後はネットで解説を探して読むと、より理解が深まると思います。
↓のブログとか分かりやすかったですよ。

『プリズナーズ』の真のメッセージとは? :映画のブログ

 

her/世界でひとつの彼女

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映画『her/世界でひとつの彼女』予告編 - YouTube

近未来、AI(人工知能)を持つOSに恋してしまう男のお話。要はiPhoneのSiriの発展系です。SFかと思いきや、全然違いました。これは、恋愛や人間関係についての映画です。OSとは言え人間と同じ思考回路を持ってしまっているので、もはや人です。恋してしまうのも無理ありません。ぶっちゃけOSに人間の感情なんてあったら100%使いませんよ!最後の結末は「もしOSが人間の感情を持ったら」について、一応この映画なりの回答を出しているんですが、これも人に置き換えられちゃうんですよね。2人以上の人に恋してしまうことは現代社会において、ある意味自然なことだし、かと言って、それが受け入れられるかと言うと、それはそれでちと難しい。OSだからとかあまり関係ないんですよ。
とにかく切ねえシーンが多くて、しくしく泣きながら見てました。女優陣が素晴らしく、特にエイミー・アダムスが良かったですね。あんな女友達欲しい。あと、画像を見て分かる通り、暖色を使ったおしゃれな近未来も素敵でした。Arcade Fireが担当した音楽も素晴らしい。そして、Karen Oの主題歌は聴くだけで泣けます。


Karen O - The Moon Song - YouTube

 

はい、ということでベスト10でしたー。でもね、これ以外にも良い映画がたくさんあって、一応ベスト20まで考えてるんです。全部ベスト10に入れたいくらい好きだったので、もう10本も紹介します。それではさようなら。 

11. ポール・ヴァーホーヴェン/トリック
12. ブルージャスミン
13. インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌
14. ホドロフスキーのDUNE
15. ディス・イズ・ジ・エンド 俺たちハリウッドスターの最凶最期の日
16. X-MEN : フューチャー&パスト
17. アメインジング・スパイダーマン2
18. ドラッグ・ウォー 毒戦
19. ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う
20. インシディアス第2章

 

 

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2014上半期新作映画ベスト!(前編)

このブログ始めた当初は月1くらいで面白かった映画について書こうと思ってたんですが、億劫で億劫でこの有様でございます。あっという間に半年経ちました。言い訳になるかもしれませんが、見るのに忙しかったんです。せめて半年単位でも振り返ろうと、現時点でのベスト10をやります。

対象:2014年に見た新作映画(DVDスルー新作、劇場で見れなかった新作DVD含む)
計51本の中から、10本選びました。

こんなに見てると10本選ぶのがものすごく難しい。あれも良かったこれも良かったってなりますね。今年は良い映画が多かったと思います。あ、順位はその日によって変わるものなので、特にありません。順不同です。長くなったので、まずは5本!

300 〈スリーハンドレッド〉 〜帝国の進撃〜

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『300 <スリーハンドレッド> ~帝国の進撃~』予告編 - YouTube

前作のザック・スナイダーが監督しないということで、あまり期待していなかったのですが、いやー全然面白かった!むしろ前作より好きかもしれません。「奇人」「変人」「狂人」そして首チョンパ「おっぱい」。これら僕が映画で見たい要素が全部詰まっていて、かつ、とてつもなくかっこいい!ザック・スナイダーの演出をちゃんと受け継いで、さらに昇華されていたと思います。そして、なんと言ってもエヴァ・グリーンアルテミシアという女将軍を演じているのですが、これがとにかく素晴らしい!失敗した部下は容赦なく首を刎ねる(文字通りの意味で)殺人マシーン!そして、容赦なくおっぱいをさらけ出す!この人が見れただけで元取れました。見所はバトルセックスです。え、なにそれって?バトルセックスです!だってバトルセックスとしか言いようがないような、国を賭けて戦うようにセックスする描写があるんです。どうですか?見たくなってきませんか?船と馬もかっこよかったよ! 

ついでに前作も大傑作ですよ。

LEGO® ムービー

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The LEGO® Movie - Official Main Trailer [HD] - YouTube

好きすぎて3回見ました。ブログにも書いたから、特にもう語ることはございません。とにかく騙されたと思って見てよ!楽しい楽しいと思って見てたら、終わる頃には号泣。メガネまで濡れた!人が何かを創造することの素晴らしさを、こういう形で提示してくると思ってもみなかった。フィル・ロード&クリストファー・ミラー監督だから、面白い映画には間違いないだろうと思っていたら、予想をはるかに超える大傑作でした。あっぱれ!

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グランド・ブダペスト・ホテル

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「グランド・ブダペスト・ホテル」予告編 - YouTube

これを見てからウェス・アンダーソンにはまってしまって、過去作全部見ました。ユリイカのウェス・アンダーソン特集も読み、しばらくウェス・アンダーソン漬けに。その上でもう一回見てやっぱりこの映画は素晴らしいと再確認。
完璧としか言いようがない画面デザイン。まるでウェス・アンダーソンの作った箱庭の中に入ってしまったかのような感覚でした。猛スピードで展開されるスラップスティックなアクションに、オフビートなギャグ。ウェス・アンダーソン映画でしか感じることのできない独特のリズムにのめり込んで、あっという間にクライマックス。一転して物語は暗いお話に。いや、暗いというかセピア色というか。退廃的というか郷愁を感じさせるというか諸行無常感というか、とにかく簡単に日本語では表現できない感情が押し寄せます。2回目見たときは、この結末を知っているからか、アガサ(シアーシャ・ローナン)が登場した時点で泣いてしまいましたね。基本的には楽しい映画ですが、背景には後に紹介するアクト・オブ・キリングにも通ずるテーマが横たわってたりします。不思議な映画ですね、ほんと。
ウェス・アンダーソンの様式美が今後どのような進化を遂げるのか、今から次回作が超楽しみです!インスパイアされたというシュテファン・ツヴァイクの本も読んでみたいなー。

 

 
アクト・オブ・キリング 

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映画『アクト・オブ・キリング』予告編 - YouTube

ブログにも書きましたが、とにかく衝撃的なドキュメンタリー。悪夢のような、シュールな画が頭から離れません。インドネシアで起きた大虐殺。加害者は今なお英雄として暮らしています。これを見た後だと、戦争とか虐殺とか、全然人ごとじゃないなって思います。今平和に暮らしてたって、未来がどうなるかなんて誰にも分からない。時代の大きな流れに飲まれたそのとき、被害者側にいるのか、加害者側にいるのか、誰にも分からない。日本も同じです。憲法変えようが変えまいが「この先ずっと絶対平和だ」なんて保証はどこにもないわけで。言うなれば、この世界は殺戮の歴史の上に成り立っているわけで。どんな殺戮の歴史があるかと言えば、、詳しくは300 〈スリーハンドレッドをご覧になってみて下さい。

 

オンリー・ゴッド

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映画『オンリー・ゴッド』予告編 - YouTube

アクト・オブ・キリングに続き、こちらもインドネシアが舞台。一昨年の『ザ・レイド』も最高に面白かったし、今インドネシアがいろんな意味で熱い!
難解な作品で賛否両論、というか断然否が多いと思われる本作。僕は大好きです!ニコラス・ウィンディング・レフィン監督には一生ついていく所存でございます。
上映中はとめどなく脳汁が溢れ出てきて、終始満面の笑みで鑑賞。とにかく映像が素晴らしい。僕は画力の強い作品に惹かれるんだなー、と改めて思いました。見どころは、カラオケ好きな小っちゃいおじちゃんが神のごとく強く、調子乗った変態ライアン・ゴズリングをめっためたにボコるところですね。どうですか?見たくなってきませんか?これを見て「意味わからん」と言う人にブルース・リー大先生のありがたいお言葉を送ろう。「Don't think ! FEEL !!」

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第7回爆音映画祭 感想まとめ(その2)

第7回爆音映画祭の感想日記、第2弾でござい。どんだけ遅筆なんでしょう。 

5月18日

ターミネーター

 テレビで見たことがあるような気がしていたが、どうやら見たことなかったらしい。「こんな話だっけ?」という感じだった。僕が物心ついたときにテレビでやっていたのは『ターミネーター2』の方だったようだ。シュワちゃんの名台詞「I'll be back.」も「こんなシーンで言ってたのか!」と驚いた。台詞ばかりが有名になって、内容を知っている人は意外と少ないのではないだろうか。
最初の未来での戦闘シーン、耳に刺さるような爆音。今回の爆音映画祭でもトップレベルなんじゃないかというくらい、大きい音に感じた。一瞬たりとも飽きることのない怒涛の展開にハラハラドキドキさせられっぱなし。ターミネーターのメカの造形もかっこよく、さすがはジェームズ・キャメロン。巨匠となった監督の初期作品はどれもかっこいいと思う。低予算で思い通りにならないことばかりのはずだが、そんな逆境をはねとばす、才能とエネルギーに満ちあふれている。

 

5月24日

 ゆらゆら帝国 2009.04.26LIVE @日比谷野外大音楽堂

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爆音映画祭ではライブ映像作品も上映される。今回見たのは、ゆらゆら帝国。一度はライブを観ておきたかったが、観られないまま解散してしまったバンドだ。
さすが爆音上映。ライブハウスさながらの腹に来る重低音。ライブ疑似体験として申し分ない体験だった。ただ、ライブを座って観る経験がないので、ゆらゆら帝国の心地よい音楽についつい、うとうとしてしまった。しかし『夜行性の生き物3匹』でおめめぱっちり。終盤にさしかかると、もくもくと弾き続ける亀川千代とは対照的に、坂本慎太郎の動きがどんどん激しくなっていく。荒ぶる坂本。躍動する坂本。音もうねりにうねっていた。
映像も素晴らしく、ゆらゆら帝国の音楽をよーく知っている人じゃないと撮れないようなカメラワーク。なんと監督はモテキを撮る前の大根仁だった。なっとく。

デス・プルーフ in グラインドハウス 

こちらも映画館でずっと見たかった映画である。この映画は上映後必ずと言っていいほど、拍手喝采が巻き起こるとの噂を聞いていたからだ。終盤の盛り上がりと、衝撃のラストから、確かに拍手が巻き起こるのも無理ない内容だ。タランティーノ映画特有のだらだらとした会話、その極北がこの映画であるとしばしば言われ、中には退屈と感じる人もいるかもしれない。しかしよく会話を聞いてみて欲しい。だらだらしてるだけに聞こえる会話はストーリー上必然である。小さな伏線の積み重ねが終盤の盛り上がりと拍手喝采を産むのだ。
さあ、爆音上映ではどうだったか。起きた。大拍手が起きた。「THE END」の文字が現れるとほぼ同時に。あー、みんなこの時を待ってたのね、と不思議な一体感が生まれ映画の興奮と混ざりあう。至福!!心から生きてて良かったと思いました。

 

5月25日

 愛のむきだし

 この映画、4時間ある。しかし体感時間は1時間半くらい。映画の面白い要素を全部詰め込んじゃったんじゃないかと思えるくらい面白い場面の連続で、あっという間に時間が過ぎる。アクション、ギャグ、宗教、エロ、グロ、愛、愛、愛!!!登場人物はみんな愛を求めるキチ○イだ。むきだしの純愛映画である。
今回の爆音上映は「怒濤」という言葉がしっくりくる。上映開始から1時間経って出るタイトルにはいつも興奮させられるが、爆音でいつもの何倍もの脳汁が溢れ出た。「ゴゴゴゴゴゴゴ」という重低音が爆音で強調され、まさに波か、地震か、とにかく天災に飲み込まれるような体験をした。家で見ているだけでは気付けなかった音だ。 押し寄せる巨大な波に飲み込まれるように、むきだしの愛に溺れてしまったようだ。
 

ファントム・オブ・パラダイス 

 『オペラ座の怪人』×『ファウスト』なロックミュージカル。個人的オールタイムベスト10の中にいつも入れるくらい好きな作品。スプリットスクリーンを駆使したデ・パルマカットはいつ見ても痺れる。そして何より、この作品の醍醐味は音楽だ。劇中で悪役を演じているポール・ウィリアムズが主に作曲している。曲も歌詞もめちゃくちゃいいし、なんといってもライブ感が凄まじい。大きなスクリーンに爆音で上映されると、ほんとにライブを見ている気になった。特にビーフのライブシーンには圧倒させられた。今回改めて思ったのは「ビーフかわいそう」である。なんにも悪いことしてないのにあんなことに…不憫だ。音楽を楽しんでいるとあっという間に狂乱のクライマックス。この作品にここまで惹かれるのはこのクライマックスがあってこそだ。言葉にできない感情が押し寄せてきて、間髪入れずに、突き放すようなエンディングテーマ『The Hell of It』が流れる。ほんとにどうしようもない気持ちになるが、同時に清々しい。ほんとになんと伝えて良いか分からない。ほんとに。

何の取り柄もなく 人に好かれないなら 死んでしまえ
悪い事は言わない 生きたところで負け犬
死ねば音楽ぐらいは残る お前が死ねばみんな喜ぶ
だらだらといつまでも生き続けるより 思い切りよく燃え尽きよう


Phantom of the Paradise - Paul Williams - The Hell ...

 

 ロッキー・ホラー・ショー(パフォーマンス付き)

僕のラストバウスとなったのはこの作品。DVDは何回も見たが、それではこの映画を体験したことにならない。この映画は劇場で「参加」して初めて体験したことになるとのこと。ずっと体験したかった映画だ。知らない人には何のことだかさっぱりかもしれないが、これは世界初の「観客参加型」映画である。キャッチーなロック音楽に、突っ込みどころ満載なゆるーい内容(観客は実際にスクリーンに向かって野次を飛ばす)。しかし、ただ楽しいだけではない何かがこの映画にはある。「夢見てちゃダメ、夢になりなさい」このパンチラインに象徴されるように、夢になった気になれるし、明日からも夢になろうっていう気になる。

上映前にこんなお楽しみセットが売っていた。

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こんなグッズを駆使して大騒ぎするわけだ。劇中の結婚式のライスシャワーに合わせて米をまき散らしたり、お気に入りのキャラが登場したらクラッカーを鳴らしたり、紙吹雪をまいたり、やりたい放題。初参加の人はヴァージンと呼ばれ罵られたりするが、一緒に踊ったりするうちにロッキー・ホラー・ショーの虜だ。次からはコスプレして参加したくなる(僕も次は何か簡単なコスプレをしようと思っている)。とにかく体験しなきゃこの面白さは分からない。この機会にヴァージンを捨てれて本当に良かった。

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最後はこんな風にステージにあがって皆で踊る。くっそ簡単なおどりなので誰でも踊れます。


Time Warp - Rocky Horror Picture Show - YouTube

 

 

さて、これほどの映画体験を与えてくれた吉祥寺バウスシアターがついに閉館となった。今や映画館はシネコンが主流となり、ミニシアターが続々と閉館に追い込まれている。地方はもちろん、東京までも閉館のニュースが相次いでいる。僕は映画は映画館で見てこそ真に楽しめると思っている。なぜなら、映画は家のテレビで見るために作られていないからだ。今回の爆音映画祭では、今まで自宅で鑑賞してきた大好きな映画たちを大きなスクリーンで見て、爆音で聴いて、多くの新たな発見をすることができた。他の観客と一緒になって笑い、涙し、拍手する空間がそこにあった。こんな素晴らしい空間を根絶やしにしてはダメだと思った。まして、爆音上映という世界的にも例がない企画をやってきた吉祥寺バウスシアターが経営難で潰れるなんて、なんて世知辛い世の中なんだ。
この貴重な文化を絶やさないようにと、現在、署名運動が起きている。署名を武蔵野市に提出し、市から助成費をいただきたいというものだ。映画館で映画を見るのが大好きな人たちはぜひ署名してもらいたい。

Top of Baus on Baus~吉祥寺バウスシアター再生へ向けて
http://bausonbaus.s2.weblife.me/index.html

 

第7回爆音映画祭 感想まとめ(その1)

ここ数週間、毎週のように吉祥寺バウスシアターに通っていた。吉祥寺バウスシアターが5月31日で閉館するということで「THE LAST BAUS さよならバウスシアター、最後の宴」という映画祭が1ヶ月以上にわたり催されていたからだ。過去に上映された話題作、問題作、爆音上映、毎日好きな映画に見たい映画が目白押し。僕は爆音上映を主に鑑賞した。爆音上映はその名の通り、爆音で映画を上映する。吉祥寺バウス発祥のそれは、誰も聴いたことのない音量で、誰も体験したことのない映画体験を与えてくれる。世界に類を見ない上映会だ。

スクリーンの両端にこのような特大スピーカーがどかんと置いてある。ここからライブハウスさながらの音量で爆音が飛び出す。

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初めて爆音上映を体験したのは昨年、『AKIRA デジタルリマスター版』だった。

AKIRA 〈Blu-ray〉

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 正直なめていた。最初の一音「ドゥーーーーン!」という音で度肝をぬかれた。爆音て、ここまでか、と。音楽が好きで様々なライブに行き、爆音、轟音には慣れている(マイブラとかモグワイとかで)つもりでいたが、映画館でこんな音が鳴るなんて思ってもみなかった。『AKIRA』は、映像はもちろん、音楽もまた素晴らしいということにあらためて気付かされた。効果音や台詞までもが極限まで研ぎすまされている。ただ音がでかいだけでなく、作品一つ一つに爆音調整なる作業を行い、ベストな「爆音」状態を提供してくれる。自宅での鑑賞では絶対に気がつかない何かを発見できるのが、爆音上映の醍醐味だ。

吉祥寺バウスシアター最後の爆音映画祭で鑑賞した映画の短評を書き留めておくことにする。またいつか鑑賞できる日が来ることを願って。

4月29日

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ 

 見るのは2回目。ジム・ジャームッシュ監督のヴァンパイア映画。ジム・ジャームッシュがヴァンパイア映画を撮るとこうなるよねっていう期待を裏切らない、いや、期待通りすぎて、むしろ期待以上!自分でも何を言っているのかわからないが、とにかくジム・ジャームッシュ好きにはたまらない映画である。
とにかく音楽が素晴らしい、まさしく「爆音向き」な映画と言えるだろう。ジョゼフ・ヴァン・ヴィセムというジム・ジャームッシュとアルバム出したりしてる現代音楽家が作曲している。ヴァンパイアが生きてきた何世紀もの歴史を感じさせるような、重厚でオリエンタルな音楽。それを爆音で浴びることができる、至福の時。
キャストも素晴らしく、トム・ヒドルストンティルダ・スウィントンミア・ワシコウスカのヴァンパイアっぷりがたまない。ああああミア・ワシコウスカに血吸われてえええ!!おっと、失礼しました。

5月10日

バットマン

バットマン [Blu-ray]

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 バットマン映画と言えば、今やクリストファー・ノーラン版の『ダークナイト』が最高傑作という風潮になっているが、馬鹿野郎!ティム・バートン版をなめんなよ!いや、もちろんダークナイトは僕も大好きですが、ティム・バートン版も素晴らしいんですよ。なんといってもジャック・ニコルソン版のジョーカー!このジョーカーのキチ○イっぷりが恐ろしい。爆音上映になると、その映画の持つ狂気性、暴力性がより際立つ傾向にあるが、このジョーカーも恐ろしさが倍増していた。プリンスの主題歌も爆音で聞けて大満足。

バットマン・リターンズ

バットマン リターンズ [Blu-ray]

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 バットマンに続いて、2作目『バットマン・リターンズ』。僕はバットマン映画の中で、この『バットマン・リターンズ』が一番好きだ。ティム・バートンの映画の中でも一番だと思っている。2人のヴィラン、ペンギンとキャットウーマンが登場するが、この2人の生き様(死に様)がもう悲しくて悲しくて…。思わず涙が溢れてしまう。両親を殺されたバットマン。奇形に生まれ、親に捨てられたペンギン。男性主義社会に揉まれ、疲弊し、上司に殺されてしまうキャットウーマン。悲しい過去を持つ3人は互いに惹かれ合いながら、それぞれの敵に挑みつづける。観れば観る程、奥深い映画だ。
この作品を語りだすと止まらなくなってしまうので、これ以上の感想は割愛。高橋ヨシキ氏の著書『暗黒映画入門 悪魔が憐れむ歌』に超ためになる『バットマン・リターンズ』解説があるので、興味のある方はぜひ。キャットウーマンの表紙が目印。名著です。

暗黒映画入門 悪魔が憐れむ歌

暗黒映画入門 悪魔が憐れむ歌

 

 

ブルーベルベット

デヴィッド・リンチの作品は難解だと思われがちだ。しかし、本作は純粋無垢の青年がとある事件に深入りすることで、この世の暗部を知ることになる、というお話。簡単に言っちゃえばそれだけ。それだけなんだけど、スクリーンからムンムンと色気が漂うような、ムンムンと匂いが漂ってくるような、そういう不思議な魔力を持った映画でもある。初めて映画館で観て、この映画の持つ力に圧倒された。
むきだしの欲望、暴力。それを一身に体現しているのが、デニス・ホッパー扮するひたすら暴力的な男フランクだ。この男、次の瞬間にどんな暴力が飛んでくるのか分からない。拳か、言葉か、性的虐待か、何をしでかすのか分からない恐怖。この理不尽極まりない男に主人公が連れ回されるとき、僕は一緒になっておびえていた。「この人は完全に別の次元を生きているような気がする」というような、相手の考えが全く分からないような恐怖を体験したことはないだろうか?爆音上映でその恐怖は倍増する。下手なホラー映画より全然怖い。僕たちは主人公と一緒に、グロテスクなこの世の暗部へと連れて行かれ、迷い込んでしまう。美しい芝生の下には害虫が蠢いているのだ。ああ素晴らしきこの世界。

ファイト・クラブ

 上映前、一番前の席を確保した僕は非常に緊張していた。というのも、『ファイト・クラブ』は僕にとっての生涯ベスト級の映画だからだ。初めて鑑賞した際、映画に殴られたかのような衝撃を受けた。劇中の『ファイト・クラブ』のメンバーのように、こてんぱんに打ちのめされるのと同時に生を実感し、「何も恐れることはない」という気になった。しかし終盤、そんな気持ちになった自分をあざ笑うかのような展開が待っている。これほどまでに感情を揺さぶられた映画は初めてだった。
爆音上映では、ブラッド・ピット演じるタイラー・ダーデンの、カリスマ性溢れる名言たちが爆音でぶっ飛んでくる。

「この世で1番強くて頭の良い連中、だが可能性の目がむしり取られている。ほとんどの人間がガソリンスタンドの店員か、ウエイターだ。もしくは会社の奴隷。広告を見ちゃ車や服が欲しくなる。嫌な仕事をして、要りもしない車や服を買わされるわけだ。俺たちは歴史のはざまで生まれ、生きる目標も場所もない。新たな世界大戦も大恐慌もない。今あるのは魂の戦争。毎日の生活が大恐慌。テレビにこうそそのかされる、いつか自分は金持ちかスーパースターかロックスターだって。だが違う。少しずつ現実を知り、とうとう頭がキレた!」

 

「職業がなんだ?財産がなんて関係無い。車も関係ない。財布の中身もそのクソッタレなブランドも関係無い。お前らは歌って踊るだけのこの世のクズだ」

 

「ウジ虫どもうぬぼれるな!お前らは美しくもなければ特別なもんでもない。他と同様朽ち果てて消えるだけの有機物質だ」

僕たちはこれらの言葉に救われる。そしてこれからも救われるだろう。ずっとファイトクラブの一員になった気で生きていくだろう。
今回の爆音上映で一番衝撃だったのは、主人公が自らを銃で撃ち抜く場面だ。初鑑賞の際、殴られたと感じたこの映画に、今度は銃で撃ち抜かれてしまった。そしてクライマックス、この世で一番美しい世界の終わりが待っている。その時にはきっと、ピクシーズの『Where Is My Mind ?』が流れていることだろう。


Pixies - Where Is My Mind - YouTube

 

 

その2はまた今度!