迷子の衝動

好きな映画や音楽のお話を。

2015年 上半期の映画を振り返る

もう6月も終わりだ!今年はほんとに良作ばかりで、下半期も大作がいっぱい控えてて、大豊作な1年になりそうですな。
昨年は上半期に張り切って感想書いて、年末に書くことが無くなる、みたいなところがあったので、ランキング形式でさくっといきたいと思います。

 

【天上界】マッドマックス 怒りのデス・ロード

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I live, I die, I live again!!
・・・はい。まだ全く興奮が覚めていない本作。まだ3回しか観れてないですが、観れば観るほど「完璧な映画」としか思えない恐ろしい作品です。リアルタイムでこれほどの映画を体験できて、本当に幸せです。本作に順位をつけるなんて、そんな罰当たりなことできません!(ランキング形式とか言っておきながら何言ってんだてめえは)
1位のはるか彼方、天上界の映画です!とにかく映画館で観るんだ!Witness me!!イモーターーーーーン!! 


映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』予告編 - YouTube

 

【1位】22ジャンプストリート

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一番笑わさせていただきました。
文字通り笑い転げました。繰り上がり当選で1位になっちゃったこいつら。ブログにも感想あげてます。

何でこんなに面白い映画が映画館で観れないんだ!皆でバカ笑いしながら観たいよ!アメリカのコメディなめんな!これからも声を大にして、アメリカンコメディを布教していきたいと思っております。


22ジャンプストリート予告編 (非公式日本語字幕) - YouTube

  

【2位】ワイルド・スピード SKY MISSION

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涙を搾り取られました。
何気に『ワイルド・スピード』シリーズは中学のときくらいからずっと見続けているんです。シリーズ当初は、まさか回を重ねるごとにド派手アクションと観客動員数がインフレしていくような、希有な作品になるとは思ってもみませんでした。車が空を飛ぶド派手アクションはもちろん、なんと言ってもポール・ウォーカー追悼のクライマックス。目が腫れるほどに泣きましたよ。ありがとうポール。


Furious 7 - Extended First Look (HD) - YouTube

 

【3位】薄氷の殺人

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ベルリン国際映画祭2冠!
冷たく、美しく、ヴィンヴィンなノワール映画でした。笑えるところもあるし、大好きです。ツボです。詳しくはブログをご覧下さい。 


映画『薄氷の殺人』予告編 - YouTube

 

【4位】インヒアレント・ヴァイス

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What's up, Doc?(どったの、センセー)
Canの『Vitamin C』が冒頭で流れた次点でベスト確定! 心の中で「ジョニー、グッジョブ!」と叫びました*1。とにかく「グルーヴィ」な本作。情報量がとにかく多く、全く処理できないまま終わってしまいました。1回観ただけでは絶対に咀嚼できない。次はトマス・ピンチョンの原作を読んでから、「グルーヴィ」な70年代西海岸へとトリップしたい!PTAにハズレなし!


映画『インヒアレント・ヴァイス』予告編【HD】2015年4月18日公開 - YouTube

 

【5位】フォックスキャッチャー

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カンヌで監督賞を受賞
濃厚な犯罪もの、人間ドラマ、コメディ、いろいろな見方ができて超面白い!そんでもって実話っていうのがまた凄い!スティーブ・カレルも、チャニング・テイタムも、マーク・ラファロも、素晴らしすぎる演技に脱帽。役者の魅力を最大限引き出すベネット・ミラー監督の手腕はお見事。カンヌで監督賞受賞も大納得な作品です。 


映画『フォックスキャッチャー』予告編 - YouTube

 

【6位】海街diary

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是枝監督の集大成!
唯一の邦画です。公開時期が『マッドマックス 怒りのデス・ロード』と被ってなかったら、絶対に複数回観に行ってたし、順位もきっと上だったことでしょう。漫画原作でありながら、是枝監督がずっと描いてきた「家族」「血縁」のお話の集大成と言えるのではないでしょうか。それでいてエンタメ性も抜群という。。小津安二郎の『東京物語』をも彷彿とさせるような傑作だと思います。鎌倉住みてえ!!


海街diary予告篇 - YouTube

 

【7位】Mommy/マミー

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26歳の天才監督。現状最高傑作。
えー、わたくし、実は監督のグザヴィエ・ドランと同い年なんです。インスタ画角(1:1)という斬新な手法を用いながら、完全にそれをモノにしている。「ドラン的」としか言いようがないスタイルを、この歳で確立してしまった次点で、もう「天才」としか言いようがありません。現時点で彼の最高傑作。これからも同世代の代弁者としてどんどん傑作を生み出してほしい。応援してます。


映画『Mommy/マミー』グザヴィエ・ドラン監督 予告編 4.25公開 - YouTube

 

【8位】ピッチ・パーフェクト 

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待望すぎる日本上陸。ガールズ・アカペラ・コメディ。
2012年の映画ですよこれ!ようやく、やっと、今さら、日本公開。アメリカではすでに続編『ピッチ・パーフェクト2』が公開されており、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『アベンジャーズ2』を抜いて全米1位という何気にモンスター作品なんですよ!アメリカのアカペラは本当レベル高いですね。びっくりしました。個性豊かなキャラクター達に下品なギャグが満載。でも最後はちゃんとアガるし泣ける。音楽のセンスも抜群に良いです。


映画『ピッチ・パーフェクト』日本版予告 - YouTube

 

【9位】セッション

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ファッキンテンポオゥ!
予告どおり「ラスト9分19秒」は本当に奇跡的でした。観客すらも置いてきぼりにしたキチガイ2人のセッションは凄まじかった。脚本、撮影、演出、編集、どれをとっても一級品の傑作。


映画『セッション』予告編 - YouTube

 

【10位】激戦 ハート・オブ・ファイト

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筋肉っていいな
これ観て、筋トレはじめました*2。ほんと、筋肉っていいもんですね。燃えるし、泣けるし、萌える!こちらも詳しくはブログを読んでください。

mamekuraken.hatenablog.com


映画『激戦 ハート・オブ・ファイト』予告編 - YouTube

 

下半期はアベンジャーズもあるし、ジュラシックワールドもあるし、スターウォーズもあるし、ムカデ人間3もあるし、グリーン・インフェルノもあるし、今から楽しみな映画ばかりです。ふふふ。年末の年間ベストがどうなるか楽しみだなー。

*1:音楽監督はレディオヘッドのジョニー・グリーンウッド

*2:現在2ヶ月休憩中。

【オールタイムベスト!】マッドマックス 怒りのデス・ロード

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ついにこの日がやってきてしまった。思えば昨年、予告を観てしまったその日から、この映画を観るために生きてきました。 

予告だけでお腹いっぱいでしたが、まさか予告のテンションが2時間ぶっ通しで続く本編が待っているとは!この大傑作を観てしまった以上、この映画を観るために生まれてきたと言ってしまった方が良いでしょう。結論から申し上げると、大傑作、いや、映画史に残る大事件、いや、人類史に残る大事件、いやいや、地球史に残る大(以下略)。

ということで、まだ2回しか観れていない中で大変おこがましいのですが、久々に映画感想を書いてみようと思います。

 

観た者の言語野すらイカれさせる映像ドラッグ

とは言え、いざ感想を書くとなると大変困る作品である。なぜなら本作は観た人の言語野をイカれさせてしまうからだ。公開後、twitterでは「すごい」「ヤバイ」「狂ってる」「ひゃっはー!」「WHAT A LOVELY DAY!!」といった言葉が並んでいた。観るもの全てをハイにさせる紛れもない映像ドラッグと化している。確実にIQが低くなる気がする。
しかし、本作の凄いところは、それが全て計算し尽くされた映像によるものだからだ。もちろん話は単純で、バカみたいにイカれた改造車が山ほど出てきていて、ずっとそれが砂漠を走ってて、クラッシュと爆発がひっきりなしに起こってて、上映中ずーっとギター弾いてるやつとかいて(しかもギターが火を噴く!)、そんなの見せられたらさすがに頭がおかしくなるわ!って話だが、全て綿密に練られているからこそ、破綻せずに感動のクライマックスまで辿りつくことができた。聞いた話によると、脚本より先に絵コンテが出来上がっていたそうだ。それほどヴィジュアルと画作りにこだわって、この確固たる世界観を作り上げたのだ。映画を止めながら「このシーンやばいよね!」と語り合いたいが、そんなことやってたらきっと1コマずつ止めることになるので全然映画が進まないだろう。

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アクション!アクション!アクション!

映画の冒頭からカーチェイスがずっと続く。狂った改造車が爆走する中で、スタントマン達が命懸けのアクションを演じ続ける。それこそ『マッドマックス2』や『駅馬車』のクライマックスシーンを観て「この興奮がいつまでも続けばいいのに・・・」と思った人は私だけではないだろう。『マッドマックス 怒りのデスロード』では、あの興奮のクライマックスシーンが、全編に渡って繰り広げられる。アドレナリン放出されっぱなしで、観ているだけでポジティブになれる。明日からもまた「生きよう」という活力を与えてくれる。これまた麻薬的な謳い文句だが、実際そうだから仕方がない。もはや私は、マッドマックスに生かされていると言っても過言ではないのだ!(自分が何を言っているのか分からなくなってきました。)

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世界がどれだけ狂っていてもマックスは必ず立ち上がるのだ!

マッドマックス 怒りのデスロード』で描かれたイモータン・ジョーが支配する世界は、シリーズの他作品と同様、非常に狂っている。核戦争から40年以上経ち、汚染により人間の寿命は半分になった。数少ない資源や食物は暴君イモータン・ジョーに独占されている。病人はただただ水をすがる。健康な若者はジョーを崇拝し、彼のためなら命を捨てることも厭わないウォーボーイズとなる。女は子供と母乳を搾取されて家畜同然の扱いを受けている。

しかし、狂っているのは映画だけだろうか。現実も対して変わらないのではないだろうか。放射能汚染に恐々とする日々。多くの人が満足な医療を受けられず、家畜同然に働かされている。信仰心から命を投げ出す若者。性別のせいで虐げられる人々。マッドマックスの狂った世界は、全て現実の投影だ。ジョージ・ミラー監督はいつだって厳しい現実を突きつける。マッドマックスシリーズだけではない。『ベイブ』や『ハッピーフィート』といったファミリー映画でも同様だ。厳しすぎる現実が壁となって現れたとき、我々は絶望するしかないのだろうか。いや、そうじゃない。マックスなら立ち上がる。マックスなら必ず立ち上がって、前に進む。それが例え砂漠のど真ん中であろうと。

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言葉をどれだけ重ねてもこの映画の良さを伝えきれないのがもどかしいが、映画は観ないと良さなんて分かりっこないのだから、とにかく多くの人に観てほしい。人並み以上に映画を観ているつもりだけど、こんな映画体験は滅多にないと思う。

 


Mad Max: Fury Road - Official Main Trailer [HD ...

 

 

 

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映画感想:「22 ジャンプストリート」

ふぅぅううううううううう!!!!今年観た映画が全部吹き飛んでしまうくらいゴキゲンな映画を観たぜええええええ!!!!まだ3月だけどねえええええええ!!!!!

はい、ということで22ジャンプストリートの感想でございます。

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22ジャンプストリート予告編 (非公式日本語字幕) - YouTube

 

待ちに待った、超待った続編

アメリカでは2014年6月に公開され、コメディとしては空前の大ヒットを記録した本作。しかしアメリカン・コメディを冷遇する我が国では全く上映する気配ナッシング。安定のDVDスルーなのでした。誰が決めているのか分からないが、こんなにヒットした映画が日本だけ上映されないと、取り残されてる気がして本当に悲しい。「ヒックとドラゴン2」未公開問題もしかり、ほんとマーケティングなんてファック・オフだな、と思う今日この頃でございます。

本作は「21ジャンプストリート」の続編。監督はフィル・ロード&クリストファー・ミラー。アニメ映画「くもりときどきミートボール」で大ヒットを飛ばした後、実写の「21ジャンプストリート」に挑戦してそっちも見事大成功。その後も「LEGOムービー」「22ジャンプストリート」と、もはや大ヒットしか産み出していないコンビといえる。監督の手腕は「LEGOムービー」の感想の中でも触れたので、詳しくはそちらをご覧いただきたい。簡単に作風を説明するならば「おもちゃ箱をひっくり返したような超ハイテンションドラッグムービー」とでも言いましょうかね!

映画という「おもちゃ」を遊び尽くせ!

あらすじを雑に説明するならば「ヤクの売人を捕まえるために大学に潜入捜査☆」以上。前作は高校が舞台で、本作ではそれが大学になっただけ。展開もほとんど同じである。アカデミー賞授賞式においてジャック・ブラックが「続編にリメイク、ありきたりな脚本ばかり」と皮肉たっぷりのジョークを歌っていたが、そんなヤジをせせら笑うかのように監督はあえて前作のストーリーをなぞってみせた。たとえ続編でも、ストーリーが同じでも、映画とはこんなにも自由で、いくらでも面白くなる物なのだ、ということを見事に証明してみせた。

LEGOムービー」鑑賞後に確信したのは、監督が映画という「おもちゃ」を遊び尽くしているということ。今回は「続編」という「おもちゃ」を手にし、組み立ててはぶち壊しながら映画を遊び尽くしている。アドリブが非常に多く、同じ場面を違う台詞で何度も撮り直していることからもその遊びっぷりがうかがえる。ブライアン・デ・パルマの伝家の宝刀「スプリットスクリーン」でさえ、彼らの手にかかれば「おもちゃ」なのだ。彼らに任せる限り「ジャンプストリート」シリーズは無限に続いたって面白くなる気がしてくる。筆者は007並みのシリーズになってほしいと密かに願っている。

ブロマンティックが止まらない

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本作の魅力はやはりジョナ・ヒルチャニング・テイタムのコンビだろう。ブロマンス(男同士できゃっきゃする)コメディが好きでいろいろ見てきたが、トップクラスの名コンビだ。ロシア版のタイトルは「マッチョとナード」というらしいが、そのタイトル通り、ジョナ・ヒルは童貞くさいナード、チャニング・テイタムは体育会系筋肉バカのマッチョを演じ、学校内における超凸凹コンビが誕生した。

本作ではそのブロマンスっぷりが行き着くところまで行ってしまい、もはや恋人や夫婦の域だ。大学での新生活、親友同士で入学したはずなのに相方には他に気の合う友達ができてしまい、嫉妬心に駆られる。これはよくある話だし前作とも同じ展開だが、本作ではその喪失感の描き方が「失恋」そのものである。すれ違う2人、失って初めて気づくお互いの大切さ・・・て、もうこれ恋愛映画じゃねーか!暴走するブロマンティックは誰にも止められないのだ!

強烈すぎる脇役達

前作から大きく飛躍した点として脇役の面白さが格段に上がっていることを挙げたい。特筆したいのはアイス・キューブ兄貴だ。

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前作から引き続き、主人公2人の鬼上司として登場する。「Fuck tha Police」なんてラップしてた人が警官役ってだけでもちょっと面白いが、ヒップホップ界きっての強面を活かしたキレ芸っぷりが最高にはまっている。前作がよほど好評だったのか、本作では出番が格段に増え、キレ芸にもより磨きがかかっている。文字通り大暴れする場面があるので心して鑑賞してほしい。

もちろん新キャラもさいこー。寮の隣部屋に住む双子を演じたルーカス・ブラザーズのお二人。「ツイーーンズ」の掛け合いが最高でした。

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本作一番の超新星、ジリアン・ベル!素晴らしいコメディエンヌでした。ジョナ・ヒルとの掛け合いは抱腹絶倒!

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とにかく面白いやつしか出てこないし、面白いことしか起きない!

安定のトリップ感覚

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フィル・ロード&クリストファー・ミラー作品で個人的に一番楽しみにしているのはドラッギーな映像世界だ。毎回必ず(子供向けアニメでも容赦なく)ぶっ飛んだトリップ映像をぶっこんでくる。本作でも例外なく最高な(そしてふざけすぎた)トリップ映像を見せてくれた。異常なハイテンションが続く彼らの作品は、全編通してトリップ映像とも言えるだろう。本作終盤ではスプリングブレイクの狂騒と相まって、得も言われぬ高揚感を与えてくれた。

マーク・マザーズボー(Devo)のいかれた電子音楽も、フィル・ロード&クリストファー・ミラー作品を支える重要な要素だ。筆者の勝手な推測に過ぎないが、おそらく彼らはDevoの大ファンだと思う。特典映像ではDevoリスペクトな未公開シーンが収録されているのでこちらも必見。

筆者は映画を観る行為そのものが「トリップ」だと思っている。フィル・ロード&クリストファー・ミラーは、それを明け透けに表現してくれる。だからこそ彼らの作品が大好きなのだ!

 

 

 

ちなみにジョニー・デップ主演のドラマ版は見たことない!

第10回 Hostess Club Weekender (2日目 KISSゴリ押しなサーストン様 編)

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第10回 Hostess Club Weekender(以下、HCW)2日目のライブレポでございます。

1日目はこちら

 

Philip Selway

ウェザーハウス

ウェザーハウス

 

レディオヘッド大好きっ子な筆者ですが、さーせん!フィル兄さんのソロアルバムは聴いておりませんでした!どんな音楽なのか、フィル兄さんはドラムをたたくのか、なんて予備知識は一切ありませんでした。ほんとレディヘファン失格ですね。
登場して早々、フィル兄さんはマイクスタンドの前へ。「なるほど歌うのだな、フィル兄さんコーラスうまいもんな」なんて思っていた矢崎、なんと手が震える仕草をしながら歌い始めた!トム・ヨークみたいや!音楽自体もレディオヘッドの曲に似ている!レディオヘッドを少し優しくした感じ。ソフトヘッドな感じ!フィル兄さんの温和さが伝わってくるようでした。終了後、サイン会を目の前でやっていて間近でフィル兄さんを拝むことができました。ありがたやーありがたやー。

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Philip Selway - Around Again - YouTube

Real Estate

アトラス

アトラス

 

またまた不勉強で申し訳ありません。こちらもYouTubeで数曲聴いた程度でアルバムは持っておりませんでした。しかし「なんで今まで聴いたことなかったんだ!」と思うくらいに素晴らしいバンド。実際ライブも素晴らしかった!ほんと今まで聴いてなくて申し訳ない気持ちでいっぱいです。シンプルなギターロックかと思いきや、唯一無二の独特な世界観があります。厚いんだけど優しい音がして、シンプルで牧歌的で気怠さも感じるんだけどドラマティック。ちょっとこんな音聴いたことないです。これはアルバム揃えるしかない!ぜひともフジロックで聴きたい!昼下がりのホワイトステージあたりで聴けたら最高だろうなー。

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【日本語字幕付】 リアル・エステート「Crime」 - YouTube

 

Temples

Sun Structures

Sun Structures

 

言わずと知れた人気若手サイケ・ロック・バンドでございます。ライブ見るのはフジロック以来2回目。フジで見たときは「正直ライブは微妙だなー」なんて思っていましたが、今回は「あのときと同じバンドか?」ってくらい最高でした。べろんべろんに酔っぱらって聴いたらトリップしちゃうでしょうね。気持ちよかったです。前回はフジのレッド・マーキーだったのが良くなかったのかもしれません。テンプルズの魅力が最大限発揮されるのは、めちゃくちゃ音響の良いライブハウス(つまり新木場)だったのかも。もちろんバンド自体まだまだ成長途中。これからの活躍が楽しみです!

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Temples - Shelter Song - YouTube

 

The Thurston Moore Band

ザ・ベスト・デイ

ザ・ベスト・デイ

 

オルタナの重鎮、サーストン・ムーア様。2009年のサマソニソニック・ユースを見た以来なのでかれこれ5年ぶり!当時まだ学生だった筆者は全身にノイズの洗礼を浴びたのでした。懐かしいなー。
セットチェンジ時点からまさかのサーストン様登場!出てきただけで歓声があがってました。さすがです。ベースのデビー・グッギ(My Bloody Valentine)とダンスを踊っておどけて見せるなど、この日のサーストンは超ご機嫌!サマソニのときは殺伐としてた印象だったので、ソロの方が楽しいのかもしれません(笑)
ライブが始まり、サーストンが一音鳴らしただけで歓声があがります。ええ、筆者も思わず叫びました。一音だけで紛れもなくサーストン・ムーアのギターであることが分かってしまうほど、サーストン・ムーアの音なのですから!ここから先はまさにノイズ天国!サーストン健在!やっぱり神!
この2日間、楽しいひと時を過ごして「いろんな音楽が聴けて楽しいなー」なんて思っていた筆者に対し、サーストンが「お前が好きなのはこの音だろ!ほれほれ!」とノイズを投げつけてきたような感じがしました。はい!好きです!ノイズ大好き!オルタナ万歳!!
MCでも上機嫌なサーストン。TOEIC300点台の筆者でも分かるような、聞き取りやすい英語で大変面白かったです。

サーストン「KISSとVan Helen どっちがいい?」
観客「ヴァンヘイレン!」
サーストン「違う!KISSだ。じゃあKissとThe Clashは?」
観客「クラッシュ!!(即答)」
サーストン「いや、違う。難しいかな…。じゃあKissとThe Yardbirdsは?」
観客「ヤードバーズ!!!」
サーストン「違う違う!ファッキンヤードバーズ!答えは1つだ!」
観客「(笑)」

なぜかKissゴリ押しなサースト・ムーア様なのでした。

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St.Vincent

セイント・ヴィンセント

セイント・ヴィンセント

 

サーストン様にひたすら大興奮でしたが、この日一番のお目当てはセイント・ヴィンセント a.k.a. アニー・クラーク様!見るのは昨年のフジ以来。個人的2014ベストアルバムに選ばさせていただきましたが、その後グラミーで「最優秀オルタナティブ・ミュージック・アルバム賞」を見事受賞!名実ともにトップアーティストの一人になってしまいましたね。
フジで見たときと同じく、階段状のでかいステージが後ろに置かれたセット。斬新なデザインの黒ドレスに、記号がちりばめられた黒ストッキングという出で立ち。登場から超かっこいい!パフォーマンスももちろん最高。バンドメンバーでおなじみのトーコ・ヤスダさんとの息の合ったダンスも相変わらず素晴らしかったです。とにかくアーティスティックでコンテンポラリーな感じ!(困ったときは横文字を並べるとそれっぽく見えるよね)
グラミー取った新譜からの曲が多いかと思いきや、ファンには嬉しい新旧織り交ぜたバランスの良いセットリストでした。終了後、近くで見ていた女の子が「てかあの音、本人がギターで弾いてたんだねー!めちゃくちゃギターうまーい!」なんておっしゃってました。筆者も初めて見たときそう思いましたよ。もともとプロのギタリストだから当然なんですが、彼女のギターテクには毎回惚れ惚れします。

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St. Vincent - Birth In Reverse - YouTube

 

2日目はギターロックの素晴らしさを感じた日になりました。若手から大御所まで、皆総じて楽しそうにプレイしていて、観客もすごく良い雰囲気で音楽を楽しんでいます。音響ももちろん最高!次回開催のアナウンスが待ち遠しいですねー。

第10回 Hostess Club Weekender (1日目 圧巻のカリブー、ベルセバでハッピー!編)

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週末にインディー・ロックの祭典、Hostess Club Weekender(以下、HCW)に行ってきました。今年初フェス!楽しすぎてインスタに写真上げまくってtwitterとFB荒らしてしまいましたさーせん。

個人的には2度目の参加。初参加はザ・ナショナル(The National)とモグワイ(Mogwa)がヘッドライナーのとき。そのときは完全にモグワイ目当てで、他のアーティストはほぼ知らない状態でした。そんな状態で楽しめるのかなーと若干不安でしたが、新しい音楽との出会いに満ち溢れていて素晴らしい体験をさせてもらいました。全くノーマークのアーティストがめちゃくちゃかっこよかったりするんです。あまり予習せずに、気軽に参加できる楽しいフェスです。CD販売やサイン会もあり、アーティストがすごく身近に感じるところも良いところだと思います。

では、前置きはこれくらいにしてライブレポをば

East India Youth

Culture Of Volume

Culture Of Volume

 

彼については来る前にYouTubeで1曲聴いただけでした。エレクトロ・アーティストなのねー、くらいの知識だけ持ってライブへ。これぞHCWの醍醐味!

パリッとスーツを着こなしたイケメン青年が1人で登場。完全なソロパフォーマンスでした。機材いじったりベース弾いたり歌ったり。なんていうか、すごい器用(小並感)!最初は、ちょっと退屈だなー、トイレ行っちゃおうかなー、てな感じでしたが、だんだん激しくなってきて、最終的には踊らされてました。スーツ着たイケメンがスマートな演奏をするかと思いきや、実際はめちゃくちゃエモかったです。MCからも人柄の良さが伝わってきました。セットチェンジのときに流れる映像の中でなぜか利きビールをやってて、よなよなエールを「うーん、ヨナヨナ」って当ててたのが可愛らしかったです。


East India Youth - DRIPPING DOWN (Official Video ...

 

How To Dress Well 

ホワット・イズ・ディス・ハート?

ホワット・イズ・ディス・ハート?

 

予備知識ナッシング状態!髭の兄ちゃん、くらいの印象でライブにのぞみました。が、これが素晴らしく良かった!髭の兄ちゃん歌うま!マイク2本を使いわける見たことのないプレイ(1本は普通、もう1本はリバーブかかってる)に目がくぎ付けでした。ジャンル的にはR&Bをドリーミーに、アンビエントな感じにしたかんじですかね(アバウトでさーせん)。帰って調べてみたらPitchfolkでけっこう高得点出してるんですね。自分の無知っぷりが恥ずかしいです。CD買わせていただきます。


How To Dress Well - Words I Don't Remember ...

 

tUnE-yArDs

Nikki Nack

Nikki Nack

 

恥ずかしながらチューン・ヤーズも音源持ってませんでした。YouTubeで予習した程度。でもライブに関してはめちゃくちゃ期待してました。だって超楽しそうなんだもん!
実際めちゃくちゃ良かったです。インディーバンドのライブを見ると「あの音、こうやって出してたの!?」みたいな驚きがしばしば起こるのですが、チューン・ヤーズも例外ではありませんでした。ループを使って一音一音ていねいに音を重ねていくと、あら不思議、聴いたことあるメロディになっていく。さらにコーラスが重なってチューン・ヤーズの世界が出来上がりです。これはライブじゃないと体験できない!

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tUnE-yArDs - Bizness (Official Video) - YouTube

 

Caribou

Our Love

Our Love

 

本日の大本命!ライブ見るのは2012年のフジロック以来ですが、そのときより全然良かった!会場の新木場STUDIO COASTは音響が素晴らしく良いことで有名ですが、その音響を最大限活かした凄まじい轟音。最後の曲『Sun』ではおしっこちびりそうでしたよ。フジロックのときは他に見たいバンドがいたので途中で抜けてしまって『Sun』を聴くことができませんでした。噂には聞いていたけどここまでとは・・・。終わったあと、皆が口々に「やばかった」って言ってたのが印象的でした。いやー、ほんとやばかったもんね!踊りまくって汗だくです。

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CARIBOU - Our Love - YouTube

 

Belle and Sebastian

Girls In Peacetime Want To Dance

Girls In Peacetime Want To Dance

 

本日のヘッドライナー、ベルセバ!ライブ見るのは初めて。アルバム全部持っているわけではないので若干不安でしたが、全く問題なく楽しめました。終始ハッピーな 空気が充満してて頭の中がお花畑状態です。スチュアート・マードックは世界一ボーダーの似合うおじさまではないでしょうか。スチュアートのみならずバンドメンバー全員ひたすら可愛らしかったですね。ダイブしたり、大勢の観客をステージに上げたり、やりたい放題!とにかく幸せな1時間半を過ごさせていただきました。グラスゴー万歳!

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【日本語字幕付】ベル・アンド・セバスチャン「だから僕は歌う(原題:Nobody's ...

ホラー映画好き必見!エクソシストのパロディMV - ミステリー・スカルズ『Ghost』

朝起きて、何の気なしに洋楽MVを垂れ流してたら、何処かで見たことあるカットが・・・。

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おわかりいただけただろうか・・・

 

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エクソシストやないかー!!

ミステリー・スカルズ(Mystery Skulls)の『Ghost』という楽曲のMV。エクソシストという凶悪映画とはほど遠い軽快エレクトロ・ポップ。70年代、80年代のダンスナンバーや、ダフト・パンクが好きな方はどんぴしゃではないでしょうか。昨今のディスコ・リバイバルの流れを象徴するような若手アーティストでございます。

さて、エクソシストと軽快なダンスナンバーがどう融合するのか・・・。
娘さんが悪魔に取り憑かれた一家。

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お父さんが電話で神父を呼ぼうとしたところ、

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電話かけて一瞬で変なぽっちゃり神父きたー!

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そして神父がー

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踊り狂う!(お前も何かに憑かれているのでは)

踊りながらエクソシズムを始める神父!果たして、悪魔払いは成功するのかー!?
続きはMVを実際にご覧下さい。ホラー映画への愛を感じる素晴らしいラストにも感動しました。 


Mystery Skulls - "Ghost" (Official Music Video ...

 

音楽も好きなのでアルバム買っちゃおうかなって思ってます。ナイル・ロジャースとブランディがフィーチャリング参加してる『Magic』なんか最高です。


Mystery Skulls - "Magic" feat. Brandy and Nile ...

 

Forever

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映画感想:「薄氷の殺人」「激戦 ハート・オブ・ファイト」「二重生活」

1月に観た映画はどれも面白かったのですが、特に『薄氷の殺人』『激戦 ハート・オブ・ファイト』『二重生活』の中国・香港製作の3本が素晴らしかったのでご報告いたしまーす。


薄氷の殺人 

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映画『薄氷の殺人』予告編 - YouTube

昨年、第64回ベルリン国際映画祭において、最高作品賞である金熊賞と、男優賞をダブル受賞した注目作です。これ、2015年始まったばかりでアレなんですが、個人的には今年ベスト級の作品でした。決して万人に受ける作品ではないと思います。むしろ退屈に思われる方がほとんどではないでしょうか(劇場でいびきが聞こえてきたし)。ただ、好きな人はめちゃくちゃ好きなのではないかと。筆者は好きすぎて2回鑑賞しました。

ストーリーに目新しさはあまりないかもしれません。火曜サスペンス劇場にありかねない話だとという感想もよく見ます。確かに物語の終盤に断崖絶壁が出てきて「わたし、そんなあの人がどうしても許せなかった・・・!」みたいな自白シーンが出てきかねない(本作にこのようなシーンはありません)ようなストーリーであります。そんなお話が、淡々と、大きな盛り上がりがなく進んでいくので、眠くなっても仕方がない思います。

しかし、まるで昔の白黒傑作ノワールを見ているような感覚、画面から漲るヴィジュアルセンス、何とも言えない独特のリズム感。うーん、フェティッシュ!断然好きなタイプの映画でした。ここまで来るとエロスを感じます。僕にとってのポルノです。ええ。

エロスを感じると言いましたが、実際、本作のファム・ファタールを見事に演じきった台湾人女優、グイ・ルンメイさんが物凄くエロかったです。一切脱いでないのに迸るエロス!そして幸薄そう!この手のノワール映画で、ヒロインが「美しいが故に損してる感」ってすごく大事だと思うんです。そういう意味でも完ぺきでした。ナイス、タートルネック

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主人公の元刑事を演じたリャオ・ファンも素晴らしかった。男優賞を取ったのも納得です。スクリーンから酒と煙草の匂いが漂ってきそうな、だらしなさ加減が最高でした。

寒々しい地方都市、石炭、氷、踏み鳴らされて汚れた雪、スケートリンク、ゆらめくネオン、そして白昼の花火・・・。全てが現在の中国を投影しているようで・・・ああ!また観たくなってきた!ディアオ・イーナン監督の次回作にも期待大です。

 

激戦 ハート・オブ・ファイト

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映画『激戦 ハート・オブ・ファイト』予告編 - YouTube

2013年の第26回東京国際映画祭で話題だった作品がやっと一般公開。待ちくたびれましたよ!絶賛しか聞いていなかったのでだいぶハードルを上げていきましたが、期待以上に面白かった!最高に燃える映画、もとい、萌える映画でした。

簡単に言うと総合格闘技版ロッキーです。ロッキー映画で重要なのはやっぱりトレーニングシーン。戦う理由を見つけ、無心に打ち込む姿を映すことにより、試合シーンでの説得力が増します。先ほど萌える映画と言いましたが、主人公2人(ファイとスーチー)のトレーニング、というよりスキンシップが微笑ましい。萌えなわけです。きゃっきゃうふふしながらトレーニングする様が萌えなわけです。挙句の果てに寝技で絡み合いながらキスをするという、腐女子大喜びなサービスシーンも用意されています。

そんなこんなで鍛え上げた肉体美がこれです。こちらはチー役のエディ・ポン。

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撮影当時48歳だったニック・チョンにいたっては、最後の追い込みで水分を摂取しない「脱水」を行ったとか。体から水分を抜くことでより筋肉がより際立って見えるそうです。

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こんな体で臨んだ試合シーンは超本格的。本当にプロみたいでした。ニック・チョン、指の骨を折ったそうです。やりすぎ・・・。

総合格闘技とは別のドラマシーンも非常に良かったです。なぜ彼らが戦わなければならないのか、の裏付けにもなっていました。の不注意から息子を失ってしまった母親(クワン)とそれを支える娘(シウタン)。複雑な問題を抱える親子の家に、ファイが間借りすることになります。ここで本作のもう一つのテーマ、「家族のあり方」が提示されるんですね。

そして、またここでひとつ萌え要素、シウタン役のクリスタル・リーちゃん。めちゃくちゃ可愛かった。ファイとシウタンがきゃっきゃうふふするシーンがまた微笑ましくて・・・後に起こる悲劇がより際立つわけです。

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テーマソング、サイモン&ガーファンクルのサウンド・オブ・サイレンスがまた絶妙。そんなんずるい。泣くしかないじゃないか!

ダンテ・ラム監督の名前はよく聞いていたのですが、今回が初鑑賞。2月には『クリミナル・アフェア 魔警』が公開されます。こちらも主演はニック・チョン。見るっきゃない!

少々熱くなってしまいましたが、熱くならざるを得ない傑作でございます。

 

二重生活

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『二重生活』予告 - YouTube

2012年、第65回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門においてオープニング上映された作品。監督のロウ・イエは『天安門、恋人たち』で天安門事件を扱ったため、5年間の映画製作禁止という処分を受けました。5年のブランクを空けて国内で正式に製作されたのが本作になります。

冒頭、女の子が車にひかれて死にます。一見事故死に思われた事件の裏に隠された真実とは・・・。『薄氷の殺人』同様、火曜サスペンス劇場のようですが、こちらはもっと昼メロっぽいです。夫と妻と愛人が織りなす愛憎劇。事件はスパッと解決してくれません。全く釈然としないまま、結末を迎えないまま、生きづらさを抱えながら、映画の中の登場人物は生きていくのだなぁ、なんだかなぁ。と、阿藤快状態で劇場を後にする羽目に。この釈然としない二重生活、常に矛盾を抱えた状況こそが、現代中国社会を象徴しています。男尊女卑、ひとりっ子政策、社会の歪みこそが事件の要因。ミステリーを通して間接的に社会へ問題提起してみせる。これぞ映画の醍醐味。

『薄氷の殺人』と『二重生活』をセットで見ることで、より中国の今が浮かび上がって来るような気がします。

香港ではもともと映画産業が盛んですが、返還後、急速な経済成長と共に大陸側での映画熱も急上昇中。ハリウッドでも中国資本の映画が増えました。その一方で、中国製作となるとまだまだ検閲が厳しいという現状もあります。『薄氷の殺人』も中国では一部暴力シーンをカットしたバージョンしか上映されていないそうです。

経済が成長する一方で格差が生まれる、社会が先進しようとする一方で前時代的な政策が壁となる。そういった歪みが、これらの傑作を生んだような気がします。